本セミナーは,Kobe Studio Seminar for StudiesのBuilding Information Modeling (BIM)に関する特別シリーズです。各セミナーでは,BIMに関連するトピックを不定期に議論しますが,議論を深めるために,参加者は少なめに設定しています。
なお,2018年は大林組会議室を用いて開催されていましたが,この期間に得られた知見や感触を元に,2019年2月以降は,神戸大内での開催に移行しております。
建築や建造などを主なテーマとして開始された,BIMに関する特別シリーズでしたが,徐々に,多くの分野を横断する形で,分野に依存しないICTとしての諸問題への一般化の議論となりました。最終的に,生産・製造・制作の観点での省エネ性や省資源性への意識の違いなども話し合うことができ,分野を超えた議論の場であるKSSの特別シリーズとしては,その課題に関する十分な議論を行えたため,このセミナーシリーズは2020年2月の段階をもって終了となりました。
モデレーターを中心として,ここまでの会合を振り返り,得られた知見などの取りまとめを行いたいと思います。特には,2019/01/18に紹介させて頂いた「仮想業務フロー図」を元に今一度分野間の業務フローの違いに関してディスカッションを行い,実運用面での視点の違いを,時間をかけて話し合いたいと思います。尚,本会合の参加者向けに,建築分野での建築計画の説明会や各種説明などでの工夫や進め方に関する説明も行いたいと思います。
映像制作を実際に開始する前に,プリプロ工程と呼ばれる様々な検討及び制作計画決定までの様々なトライアルを行うことが日常的になっています。その工程では,クライアントへのヒアリングだけでなく,社内スタッフへのヒアリングも含めた全ての検討過程が記録されていく前提となっており,最終の制作計画へと至った経過の多くを,制作開始後も迅速に検索していける仕組み作りが必要となります。しかし一方,近年は建築でも普及し始めているプロシージャルモデリングやプロシージャルビルディングなどの生産性を重視したサーバーサイドでの形状生成やマテリアル生成もその仕組みに組み入れていくこととなっており,意匠面での検討事項だけでなく,ITインフラ及び内製ソフトウェアの開発計画の様々な側面での検討事項が,その管理対象として管理上の難度を高めております。本講演では,ポリゴン・ピクチュアズとスタジオフォンズでオープンソースソフトウェアとして開発を進めているFPTS-kitchenの紹介を行い,肥大化していく管理事項への対策や課題,研究面での発展性を意識した情報発信の在り方への課題などを,参加者の皆さんと話し合いたいと思います。
過去の幾つかの「A Film Production Technique Seminar」にて開催したセミナーでは,建築領域に刺激を受けつつ工夫を進めた会合も開催しました。プロシージャルビルディングのように,建築領域でも見かけるようになった技術の存在をきっかけに,BIMやSidewalk Labs Torontoの資料に代表される都市計画としてのデジタルイノベーションとサスティナビリティ,そこに加えて透明性の高いシステムインフラと省エネ性や省資源性などの発想にも目を向けることとなりました。映像制作では,大規模な計算クラスターや大量のGPU稼働も日常化して制作が進みます。また,多人数で制作する映像制作のパイプラインは規模を大きくしていく傾向にあるのが現代ではないかと思います。本セッションでは,映像制作スタジオとしての省エネ性や省資源性への課題に関して現段階の我々の考えを紹介させて頂き,ITインフラとして見た場合の今後の課題に関して触れて参りたいと思います。
物理ベースレンダリングは,フォトリアルな画像を生成するにあたって重要な技術です。そしてそれらは,ArchVizなどの建築での可視化でも重要なパートを担っています。今回の講演では,私は物理ベースレンダリングの基本をパストレーシング中心に紹介します。そして,その上で,研究面のモチベーションなどを皆さんにお話しして参りたいと思います。特には,物理ベースレンダリングが適用される産業分野と,それを支える研究の関係に対して,皆さんとじっくり話し合いたいと思います。
建築分野でもゲームエンジンやリアルタイム処理の利用が,活発化して来ていると仄聞します。一方で,ゲーム分野以外の各分野がそれらの技術を用いて開発していく場合,リアルタイム処理特有の技術上の課題と向き合うことになります。クライアントやユーザー向けのサービス展開や,社内での設計や施工でそれらのサービスを利用すると,ゲーム開発と同様の課題も自然と出て来るように思われます。本セッションでは,ゲーム開発のリアルタイム処理の難点を参加者と共有すべく,トイモデルを中心とした説明を行います。またそれをもって,分野間で共通の課題の模索も行いたいと思います。
開催当初から,BIMと映像制作やゲーム制作などのワークフロー上の共通部分や違いの理解に関しディスカッションを行なって参りましたが,数理的なシミュレーションの活用可能性の模索を含め,各分野特有のリアルタイム処理やバッチ処理を活用したサーバーサイドサービスの展開可能性や課題への十分なディスカッションも行え,そこで高度な抽象化を行う上での数理的課題も浮かび上がって来ました。また,ICTの活用としてのBIMモデルの活用として,建築設計の各段階での地域社会への情報開示モデルなどの提案も出ており,この特別シリーズで特集していた課題に関しては一定の整理が出来て来たと考えられます。そこでこのセッションでは,ここまでの開催で出て来た課題を今一度参加下さった皆様と話し合い,問題意識への理解を深めて参りたいと思います。
前日にディスカッションされた内容を踏まえつつ,本特別シリーズの初期の会場となったエリアを中心に,本シリーズで得られた課題に関して話し合いつつ街を散策したいと思います。
モデレーターを中心として,ここまでの会合を振り返り,得られた知見などの取りまとめを行いたいと思います。
都市と道路網は社会インフラの根幹であり,その発生原理の探求を目指して数理的研究が行われてきた。先行研究では簡単化のため,周期境界かつ一様平面条件を仮定していたが,現実の地形は高低があり,河川や海岸線がある。本課題では仮説として,外部条件としての地形要因 + 都市と道路網の共発展を記述する単純な時間発展方程式で,現実の都市・道路網の概形が再現できると提案する。これを検証するため,約30m格子の詳細な地形データを活用し,都市・道路形成をパターン形成過程として定式化し,その結果を現実の人口地理分布・道路網と比較する。
機械システムの設計者は,図面・計算書・レビュー資料等を用いて自身のアイデアを伝えてきました。しかし,どの部位にどのような意味を持たせたか(設計の意図)は暗黙である場合が多く,図面等に書かれる情報を頼りに読み手・聞き手が推測しているのが現状です。(たとえ同じ部署の設計者と言えども)各個人の知識・経験が異なるため,設計の意図が全て他者に伝わることは無く,それが原因の不具合が発生しているのも現状です。それら現状を改善すべく,機械システムについて「設計の意図」の可視化を目指しており,この講演ではその取り組みの概要を紹介します。
映像制作におけるアートワークでは,制作に専念出来,かつ,慣れ親しめる環境の構築を求められる傾向にあります。この講演では,長期的利用を前提としたアセット管理システムの構築例と,ユーザインタフェースに依存せずインフラ側での自由度を高めたシステムの運用例をお話し,アセットの交換(差し替えを含む様々な変更)を含む映像制作用途での様々なメンテナンス上のユースケースを説明したいと思います。時間が許せば,社内でのアートワーク面でのトライアルを支える各種シミュレーションの役割などを解説し,大規模化したアセットに対する自動化による支援システムの現状に関しても触れたいと思います。
本日の講演やそこで扱う様々な手法の観点から,用語の確認,共通する課題,詳細に関する質疑などを行います。
映画とゲーム領域の話題を中心に,Building Information Modeling (BIM) と,映画とゲームのための制作パイプラインの基礎について議論を行います(前回からの続きとなります)。
映画とゲーム領域の話題を中心に,Building Information Modeling (BIM) と,映画とゲームのための制作パイプラインの基礎について議論を行います。
Building Information Modeling (BIM) と,映画とゲームのための制作パイプラインの基礎について議論を行います(前回からの続きとなります)。
Building Information Modeling (BIM) と,映画とゲームのための制作パイプラインの基礎について議論を行います。