本セミナーは,Kobe Studio Seminar本来の目的に立ち返り,多様な議論の場を提供することに主眼を置いた,Kobe Studio Seminar for Studiesの特別サブシリーズです。
この特別サブシリーズでは,議論の対象(トピック)の学術的な発展性や重要性よりも,専門分野を超えての「多様な議論そのものを行う場」を確保することにより重きをおきます。これまでもKobe Studio Seminarでは多様な議論を育むための様々な試みを行ってきました。直近では,トピックに対する議論を深める試みとして,いくつかの特別シリーズを実施してきましたが,一方で,過去の知見を改めて議論したいという要望や,KSSのモデレータや外部コーディネータの日常の関心事項を議論したいという要望,必ずしも学術的な(あるいは数理的な)発展が見込めるとは限らない対象を取り上げたいという要望も頂いていました。本シリーズでは,議論の対象にこだわらず「多様な議論そのもの」の発展性を追い求めてみたいと考え,トピック自体は様々な実験的な取り組みから既に過去に議論したものまで幅広く対象として,開催を検討していきます。
数理科学の理論が実際のビジネスや技術開発にどのように応用されているかを紹介します。
急速に進歩するAI技術と数理科学の関係に焦点を当て,産業界におけるその実践的な応用について探ります。
前回の渋谷を中心とした散策セミナーでは,採光,防音・遮音,構造などの観点で,立地に即した様々な設計上の可能性や発展性などを議論しました。一方,映像制作などとの関係性を踏まえて議論したため,外観などの目に見える部分からの議論が多く,防音などに踏み込んでの説明としては十二分とは言えませんでした。今回は,板書(オンライン)での議論を中心に,前回踏み込みきれなかった工法などの視点からの議論を行いたいと思います。
過去会合に参加出来なかった方を対象に,今回は建築物の外観やその維持,経年変化と街並みの関係に関して,主に映像・アニメなどの制作目線でディスカッションしつつの散策を行います。特には,アニメなどで描く場合に押さえていきたい特徴などの観点で,街並みの一部としての良さとしての経年変化や,そのテイストに関してお話しして参りたいと思います。
KSSにおけるFilm Productionに関する特別シリーズやTrialsの特別サブシリーズのセミナーやその関連活動を通し,アニメの制作資料の新しい活用や制作への利用の模索,はたまたアニメ産業としての(様々な公的事業を通して得られた)データベースなどの活用性に関しても様々なご意見などを頂いています。それを踏まえ,セミナーで話題になったデータベースなどの活用法などの概観を説明しつつ,過去のセミナーなどで話題となった研究領域の紹介などを大まかに解説し,職人性重視の産業としてのアニメ産業におけるICTの今後に関して,ディスカッションを行いたいと思います。
文化庁若手アニメーター育成プロジェクト『アニメミライ2013』においての劇場アニメ作品『リトルウィッチアカデミア』に関する制作データ(中間生産物)に関して,社内でそのアーカイブ化を勧めつつ,学術的利用のための公開などを進めて来た。国立情報学研究所(NII)との連携によりアーカイブ化された制作資料を公開し,それらは既に一定数の研究者への配布が行われている。これらは,制作を行いつつ研究面での推進を図る一つのアプローチであると考えられ,ここまで様々な場所で講演などを通しその取り組みを紹介して来た。本講演では,トリガーとしての実際の制作状況や制作資料との関わりを紹介しつつ,アーカイブ化にて公開された制作資料に関して紹介を進めていく。特には,アーカイブ化とその研究者向け公開を振り返り,今後のアニメ業界での多様なアカデミアとの関わり方についてディスカッションをして行きたいと考えている。
これまでにKSSで実施したセミナー等で紹介された事例を通して概観しますと,社内(広義には組織)での制作計画や研究開発計画を効率的に模索する観点でも,制作資料の制作・保管の重要性が年々増して来ているように考えられます。加えて,機械学習を含む種々の学習への事後利用や,社内での中長期的な文化形成のための制作資料配備といった展開まで,過去のセミナー等では様々な試みが熱意をもって紹介されて来たように思います。本セッションでは,KSS世話人の視点でもって,制作資料や制作データの最近の役割の変化に関して参加者の皆様とディスカッションを行いたいと思います。
過去の会合を踏まえ,建築分野以外での,制作や開発のリファレンス作成においての街や建築を念頭に,都心での建物の密集や超高層オフィスでの設計に関して,ディスカッションを行いつつの散策を行います。特には,採光,防音・遮音,構造などの観点で,立地に即した様々な設計上の可能性や発展性,今と昔のアプローチの変遷などを特集したいと思います。
午後のセッションを振り返り,IT化の進む現代の視点や数理的な研究面での発展を見据えて,その可能性について参加者間でディスカッションを進めたいと思います。
Digital Frontierは,Netflix作品「今際の国のアリス」や,映画「竜とそばかすの姫」などのCG,VFX制作を行っている,総合CGプロダクションです。本講演では,Virtual Productionでの色再現や,映像制作におけるパイプラインといった事例を交え,映像制作の課題と取り組みについてお話します。本講演から,映像プロダクションにおける制作の効率化や表現追求を行うエンジニア業務の一端を感じてもらえればと思います。
Digital Frontierさんの講演を踏まえ,実践的題材を元にしたディスカッションを行います。
社会人学生として取り組んだ学位取得について振り返ります。学位研究の学術論文の元となった引用ネットワークに対する確率生成モデルを説明しつつ,テーマ選定から論文投稿,学位取得までの時間の使い方を説明いたします。
メディア企業の研究開発として行われている動画像生成プロジェクトに焦点を当て,具体的な事例を通じ背後にある技術的アプローチを明らかにします。さらに,動画の雰囲気や構図のコントロール方法,動きの抽出など,複雑なプロセスがどのように組み合わさっているか,動画像生成の難しい側面にも焦点を当て,"思い通り"の画像を生成する難しさ,長い動画の連続性を確保する課題などについて議論させていただきます。
企業と大学でのデータサイエンスにおける共通点やそれらの違いについて取りあげます。双方で取り組んだ経験から,求められる役割や目的などの違いを整理していきます。
本日のセミナーの話題を振り返り,企業や大学での数理やデータサイエンスという視点でディスカッションを行いたいと思います。
数年に渡り開催したFPTSは,基本的にCGに重きを置いていたため,手描き中心のアニメ制作における課題をほとんど取り上げないまま終了しました。本セミナーでは,映像表現技術のR&Dやサーバー・クラスタ設計などの観点での,トイモデル的利用(実運用するには多少困難な)を想定してのFPTS-kitchenの紹介を行います。特には,研究者向けの試験的配布状況から見えた,研究・教育的側面の課題に関してお話ししたいと思います。時間が許せば,制作資料のアーカイブ化とそこでの気付きに伴う試行錯誤を支えるインフラとしての可能性に関しても触れて参りたいと思います。
FPTS-kitchenで扱ったサーバーサイドの観点で,今後の開発計画・制作スケジュールなどのプランニングを支えるシステムの可能性に関して,十二分な議論が行えたように思います。特に,制作資料のアーカイブ化とそこでの気付きに伴う試行錯誤を支えるインフラに関して,様々な観点でその意義や可能性がコメントされていました。加えて,アイデアをカタログ化する,制作資料やそこでの気付きを整理しつつスタジオ内でのボキャブラリ獲得へと繋げるなどのアプローチの重要性も会合内で話題となりました。
人々の移動行動データは,「何処から何処へ何人移動したか」という地点間の関係性を示すネットワークデータです。この行動記録から「都市の姿」を可視化したいというニーズがある一方で,膨大な関係性データは地図上への可視化が困難でした。我々は組合わせホッジ理論を使って,人流データから各エリアの人流を引き寄せる力(ポテンシャル場)を定量化しました。これによって人口密集地ではなく,人流の流入地点や流出地点が可視化され,人流の全体像を直感的に把握することが可能になります。
位相的データ解析は,位相幾何学のアイデアを用いて各種データを空間や図形のように「形」として捉えて解析する手法である。近年,位相的データ解析はめざましい発展をしてきており,様々な応用場面の問題に適用されて新たな発見をもたらしてきた。本講演では,位相的データ解析の核心となるアイデアを紹介し,実際の応用研究を話しながらその主な手法を二つ,「パーシステントホモロジー解析」と「Mapper解析」を紹介する。
メディア企業に所属し事業の近いところで取り組んだ研究開発について紹介いたします。実サービス上で生じる課題・問題に対して,統計科学,データ科学,自然言語処理,セマンティックウェブなどの手法を用いた解決に取り組んでおります。本セッションでは,ニュース記事に対するグラフ構造化,類似記事のまとめあげ,トレンド語の抽出,ニュースメディアの有料購読に関するモデリングなどの事例を紹介させて頂きます。
大学から企業へと所属を移り,社会人学生として取り組んだ学位取得について振り返ります。大学では計算機の特性を考慮したグラフ・アルゴリズムの高速化に取り組んでおりましたが,企業では事業で生じる課題解決が主な業務となります。また業務とは独立して総合研究大学院大学に所属して,学術論文や特許文献の引用ネットワーク構造に対する確率生成モデルに取り組み,学位を取得しました。本セッションでは,企業に所属して学位取得をする大変さや意義,今後の展望などをお話しさせて頂きます。
ufotableでは,アニメ「鬼滅の刃」,「Fate/stay night」等のTVアニメシリーズ,劇場アニメの制作を20年以上にわたって行っており,その過程で従来のアニメ制作会社とは異なる制作体制を築いてまいりました。今回の講演では,同業他社と比較した場合のufotableの制作現場の特徴や工夫,課題の紹介を行いつつ,今後の改善を担う研究開発上での取り組みなどもお話しします。制作などに関連する統計データに何を見出そうとしているか,測量用点群データなどの上での試行錯誤の実際など,アニメの制作や研究開発の現場の実感をお伝えしたいと思います。
この10年のアニメスタジオの増加は,アニメスタジオの総体としての多様性を育みました。その多様性は,研究開発に向ける姿勢にも表れており,先進的なスタジオ,旧来のスタイルを墨守するスタジオと様々です。しかし一方,映像表現のIT化が進み,3DCGと連携しての制作も日常となり,表現技術そのものを発展させる上では,それぞれのスタジオでの研究開発推進が重要なように考えられます。本セッションでは,広い意味で研究開発のし易さをどのようにスタジオ内で育んでいけるかを特集し,参加者の皆さんとざっくばらんに,技術開発や研究開発に向くムードや環境についてお話し出来ればと思います。
映像制作で求められるITインフラへの要求に対しての課題解決を,コミックス・ウェーブ・フィルムの最新作 「すずめの戸締まり」制作現場での課題や悩みなどを実例に挙げお話しします。特には,個々の課題に対してどのように解決したのか,クラウド活用の要点やコスト感,苦労話なども含めてご紹介したいと思います。時間が許せば,クラウドレンダリングとしての計算クラスタやサーバー・ネットワークに関する使用面からの感触を通して,今後の展望に関してお話ししたいと思います。
A Film Production Technique Seminar (FPTS) として様々な会合を開催しつつ,分野外・業種外から見て関心を持って頂ける内容を中心に,KSS内でも様々な会合を開催して参りました。そこで特集して来た話題の中心では,新型コロナウイルス拡大防止に伴うリモートワーク推進へと繋がるITインフラやワークフロー,コミュニケーション面の課題を取り上げて参りましたが,2022年に今一度これらの話題を特集し,FPTS会合を開催することとしました。本セッションでは,2022年10月01日に開催される予定のFPTS会合の様子を踏まえ,分野や業種を横断した課題と思われる事柄を取りまとめ,一連の会合開催や活動を通して得られた見解を,お話ししたいと思います。
概要は,2022年4月4日付けです(FPTS会合実施前)。
セッション「FPTS会合を振り返って」を通して,「制作フロー」やそれを支えるパイプラインの設計そのものの見直しを含む,多くの話題が紹介されることとなっていると伺っております。業種が異なれば,業務を支える仕組みそのものの方針や設計も大きく異なる傾向にありますが,本セッションではこれらの違いを参加者の皆さんとお話しし,業種間で共通しつつある課題や業種特有の展開の可能性の模索を行いたいと思います。
概要は,2022年9月1日付けです(FPTS会合実施前)。
映像制作スタジオ主導の会合として長年開催して来たA Film Production Technique Seminar (FPTS)の様子を振り返るにあたって,事前に業種上の違いやそれを支える仕組みの違いをモデレータを中心にディスカッションしておきたいと考えております。特には,異業種間での人材流動性も高まる昨今においての,社内スタッフへの教育体制の違いや,同業種内での情報共有のあり方の違いや変遷などを特集し,12月3日会合への事前ディスカッションとして参加者の皆さんとじっくりお話ししたいと思います。
2022年10月2日に開催された会合では,建築においての意匠・構造・設計・設備などの視点においての様々な観点でのディスカッションが展開されました。映像制作スタジオとして建築物を映像化する際には,検討外れの憶測を含む傾向に至ってしまう可能性もあるかと認識した上で,少しでも映像化対象に対し理解を深めたい,映像制作観点で気付いた事柄を整理し今後の更なる理解へ繋げたい,そのような想いで会合に臨んでおりました。そこでは,映像制作において制作リファレンスとして活用可能な情報の現時点での限界を認識しつつの学習意欲という側面があり,当日以降も若手スタッフ中心にて議論を繰り返し,当日得られた知見を一度まとめてみることとしました。本会合では,これらの考えを専門家及び当日の参加者向けに共有させて頂き,異分野・異業種の知見を社内でリファレンス化していく際の課題に関して話し合いたいと思います。
10月1日に企画されているFPTSでは,映像制作などの過程で重要となる制作リファレンスに焦点を当てたディスカッションが予定されております。建築物の視覚的な特徴を考察し映像化する際,制作リファレンスはその考察のきっかけを担うものとして重要となりますが,分野外の立場から見る以上,見当はずれの憶測を含む傾向に至ってしまう可能性もあるかと思われます。本セッションでは,東京駅周辺を中心に散策を行いつつ,ディスカッションを行いながら,視覚的な情報だけでは得られにくい情報について皆様と一緒に考察して参りたいと思います。
1993年から「香川セミナー」という講演会を続けてきた。現在コロナのため休会中であるがいずれ再開できればと思っている。今回は,セミナーの内容には,なるべく触れないで,運営や講演者探しの裏話を思い出しながら話そうと思う(記憶もあやしいので正確さはあまり期待できないが,その辺はご寛容を乞う次第である)。
伝統的な手法へのより良い理解を目指しつつも,現代的視点でもって改善を考えていくことは日常的なことと言えます。ICTの普及により,国内外でのアーティストとのコラボレーションや学術機関・研究機関との対話が行い易くなった現代では,弊社としても,過去の枠組みを超えた挑戦を推進し易くなって来たと言えます。本セッションでは,弊社における最近の挑戦をご紹介し,織機そのものへの課題や職人育成の観点で感じている事柄などに触れつつ,参加者の皆さんとお話ししたいと思います。
前セッションを振り返りつつ,技術上の課題や人材育成に関する課題など,ざっくばらんに参加者の皆様とお話ししたいと思います。
旧来,スタジオには美術書や技術書を含む多くの図書や資料が配備されて制作に役立てられて来ました。自社で描いた,制作したデータはデジタル化され,社内サーバー内で格納する事となっておりますが,市販の書籍やインターネット上の画像は著作権含め様々な権利関係を考慮すると,多くの場合サーバー内への保管が難しいこととなります。しかし,2020年以降,新型コロナウイルス拡散防止の上での急速なテレワーク推進の中,社内に配備された美術書や技術書はリモート下では参照出来ないものとして制作が進むこととなりました。そのため,今後の継続的なオンライン・オフライン双方の利用を前提とした制作体制を構築する上では,多人数での参照利用が可能な,リファレンスの内製化とその管理が重要となります。本セッションでは,模索している現段階での,苦労や課題に関して共有させて頂き,そこに加えて,社内教育においての教材面の課題や,制作を円滑に進めるリファレンスへの課題に関して,参加者の皆さんにお話ししたいと思います。
前回に引き続き,映像制作上でのFPTS-kitchenのユースケースや展望などをお話ししつつ,数学研究と映像制作双方から見たFPTS-kitchenに関して,ざっくばらんにお話ししたいと思います。
映像制作上でのFPTS-kitchenのユースケースや展望などをお話ししつつ,数学研究と映像制作双方から見たFPTS-kitchenに関して,ざっくばらんにお話ししたいと思います。
報道で多くの情報が公開されていますが,BIMの観点でのリモート化推進の実感を踏まえ,参加者の皆さんと,様々な業界でのリモート化の状況について話したいと思います。
過去のKSSにおいてのBIMシリーズを通して,映像制作を支えるITインフラの観点で気になる事柄が数多く参加者間で話し合われました。本セッションでは,過去のBIMシリーズを振り返りつつ,そこで浮上した「BIMモデルを用いた近隣住民への配慮や説明を行えるプラットフォーム案への模索」というテーマについて,今一度参加者の皆さんと振り返りたいと思います。
半導体など様々な分野の研究開発者やエンジニア,大学教員,研究員などの参加者を交えて,リモート化推進で進んだBIM活用の視点で「BIMモデルを用いた近隣住民への配慮や説明を行えるプラットフォーム」について再考しました。基本的には過去会合の記録と同様の見解となりましたが,新たに参加された方々の意見もお伺い出来,この問題が技術的側面以外の課題を多く孕んでいる事が浮彫りになり,より多角的な問題に対する議論が必要だと確信しました。
最初に,大半の制作をデジタルデータで進める弊社の映像制作においての,タッチやフィーリングの再利用可能なアセット生成とそのハイブリダイゼーションについて簡単に解説します。次に,我々の関心として,萌芽的だが試みが予告されることの多い,料理のレシピとそのフィーリングのデータ化への関心をお話しします。最後に,弊社においてのパン作りへのトライアルを紹介し,そこで映像制作特有のプロシージャルなアプローチの展開や,その実施から見えた感触,今後の豊富としての弊社の研究開発においての料理への関心と,開発上の展望に関してお話ししたいと思います。