微分積分学入門
担当者
高橋 譲嗣
授業のテーマと目標
多くの学問分野において, 時間と位置, 生産量と総費用, 試験の点数と合格の確率のように, たがいに関連しながら変化する量の間の関係を調べることが必要です.
高等学校で学び始めた微分法および積分法は, このような変化量間の関係を取り扱うための強力な理論的枠組みを提供してくれます.
当科目「微分積分学入門」では, 高等学校の「数学 II」程度の予備知識を前提として, 微分法および積分法の基本的な概念と手法について学びます.
高等学校の「数学 II」で習った内容の復習も含みますが, 高等学校の「数学 III」で扱われる微積分はもとより, それを越えるレベルまで到達することをめざします.
現実の問題の解決のために微分積分の手法を応用できる能力が効果的に身につくように, 実践的な面を重視します.
授業の内容と計画 (予定)
- 関数
- 関数の極限
- 連続関数
- いろいろな関数
- 三角関数, 逆三角関数, 指数関数, 対数関数など
- 微分法
- 微分係数, 微分可能性, 導関数, 高次導関数
- 導関数の計算
- 基本的な関数 (三角関数, 指数関数等を含む) の導関数, 合成関数の微分法, 媒介変数を用いて与えられた関数の微分法, 陰関数の微分法, 対数微分法など
- 平均値の定理, テイラーの定理
- 微分法の応用
- 関数の増加・減少, グラフの凹凸, 最大・最小, 変化率など
- 積分法
- 積分可能性, 定積分, 微分積分学の基本定理
- 原始関数, 微分積分学の基本定理, 不定積分
- 積分の計算
- 広義積分
- 積分法の応用
履修上の注意
導関数, 定積分, 不定積分など微積分の中心となる諸概念は, すでに高等学校の「数学 II」で習い始めました.
当科目を履修することにより, 微積分の技能及び微積分を用いて処理できる問題に関する知識が大幅に増大します.
予備知識として想定する「数学 II」のレベルが非常に初歩的なだけに, 1 学期間で当科目の内容を習得するには多大の努力を必要とします.
成績評価方法
授業の進行に応じて 10 〜 20 分の小テストを数回 (5 〜 7 回) 行い, 学期末に大テストを行います.
成績は, これらの諸テストの結果に基づいて決めます.
すべての小テストを受け, かつ十分な結果をおさめた人には, 大テストを免除します.
教科書, 参考書等
教科書: 大原一孝著「実例で学ぶ微分積分」(学術図書出版社)