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Kobe Studio Seminar for Studies

ワークショップ: 制作や製造,生産に関わる省エネ化や省資源化に関する実践的視点からの課題

開催は延期となっていますが,参加可能な方を中心に,事前会合2をオンラインで開催することにしました(2020/9/25)。

開催は延期となっていますが,参加可能な方を中心に,事前会合をオンラインで開催することにしました(2020/5/11)。

新型コロナウイルス感染症の拡大を懸念し,開催を延期しました。今後の開催日程などの詳細については未定です(2020/4/2)。

日時:
2020/04/17
場所:
日経イノベーション・ラボ
ワークショップ世話人:
安井雄一郎(日経イノベーション・ラボ), 桐生裕介(スタジオフォンズ)

プログラム

時間:
2020/04/17 16:00-16:30
タイトル:
創造的活動における省エネ化・省資源化検討の枠組みについての考察
登壇者:
武本和久(本田技研工業株式会社)
概要:

例えば映像制作においては『Producers Guild of America Foundation』から『Green Production Guide』が公開されており,『TOOL KIT』により環境に配慮した行動や物品購入,エネルギー使用量,エネルギーを使用する物の所有量・使用量を評価可能にしている。これは会社全体としての包括的な省エネ化・省資源化への対応状況を評価するには有用と考える。一方で,制作現場における創造的活動に対する評価ツールではないため,創造的活動の省エネ化・省資源化は担当者の知識と経験に依存した検討にならざるを得ない状況にあり,これは映像制作以外でも同様と考える。よって本講演では「創造的活動における省エネ化・省資源化」をテーマに,専門分野である機械設計を題材とした検討の枠組みについて考察した結果を共有する。

時間:
2020/04/17 16:40-17:10
タイトル:
記事テキストデータの構造化と蓄積,活用
登壇者:
安井雄一郎(日経イノベーション・ラボ)
概要:

保有する記事テキストを構造化して蓄積する取り組みについて紹介する。テキストデータの活用には自然言語処理などの様々な技術が必要となるものの,構造化されたデータを保持する環境や基盤についてはあまり言及されない。本取り組みではグラフ構造を保持することが可能なデータベースを用いて実現しており,構造化や蓄積の方法や活用事例などを紹介する。また講演者が知見をもつ省エネルギー性や高速性を考慮したメモリ管理など技術的背景も合わせて説明する。

時間:
2020/04/17 17:20-17:50
タイトル:
デジタルデータで完結する制作での,省エネ性と省資源性
登壇者:
山森徹(株式会社ポリゴン・ピクチュアズ), 桐生裕介(スタジオフォンズ)
概要:

圧倒的大半の制作では,デジタルデータで完結する傾向を我々の映像制作では高めていく傾向にあります。データである以上,プラスチックなどへの配慮といった意味での環境への配慮はなかなか難しく,制作に必要なデータ容量や,その通信,プロセッサー稼働時のエネルギー効率と内製機能のバランスといった,そのような側面でしか,現状では取り組めていないのが現状です。しかし一方,それらは映像制作パイプラインの効率化の問題そのものとも言え,制作コスト軽減と効果的な制作体制の問題と,なかなか切り分けの難しくなる課題に見えてしまう傾向にあります。本講演では,ドローイングシステムなどでのアセットの再利用性やブラシ生成などにおけるデータ削減への試みなどを題材に,製造や生産などの省エネ化などの視点なども交え,今後の課題に関して参加者の皆さんと話し合いたいと思います。

時間:
2020/04/17 18:00-18:30
タイトル:
BtoBマーケティングの効率化による環境負荷の低減
登壇者:
吉田照幸(株式会社日経BP)
概要:

メールは,販促手段の中でも手軽なため,いきおい配信数が多くなりがちである。それゆえ1人あたりが受けとるメールは年々増え,メールコンテンツに組み込んだWebサイトへのリンク部分のクリック率は下落傾向にある。このような中で,メール効率の改善やその他の有効な販促方法をつくることがマーケティングの重要な課題ではあるが,一方で販促の効率を改善することが,環境への負荷を低減することになり,今後の企業成長には不可欠な視点である。

時間:
2020/04/17 18:40-20:00
タイトル:
本日の会合を振り返って
モデレータ:
KSS Projects for Communication世話人
概要:

ここまでの会合では,製造,生産,制作の観点での成果物や成果を得て行くまでのフローの組み立ての違いの中でも,お互いの視点の違いが新しい視点での展開を双方にもたらす傾向が見受けられました。そこで本セッションでは,本日の議論を振り返りつつ,省エネ性や省資源性の観点から,フローの組み立ての段階やフローを支えるITインフラの視点での課題を,参加者の皆さんと話し合いたいと思います。

事前会合

時間:
2020/05/30 15:00-17:30
場所: オンラインでの開催につき,会合に参加予定であった方を中心に個別にご連絡します。
タイトル:
本会合に向けての事前ミーティング
モデレータ:
安井雄一郎(日経イノベーション・ラボ), 桐生裕介(スタジオフォンズ)
概要:

本会合でディスカッション予定であった内容を中心に,会合開催へ向けての議題整理などを(事前ミーティングに参加可能な)参加者間で行いたいと思います。

参考資料:
当日の様子から:

今回の事前ミーティングでは,組織として既に進めているエコ化推進の各種取り組みの話題を避け,各部署や各チームでの省エネや省資源などへの意識に関してお話し出来ました。そこでは,生産・製造・制作の違いを明確に考えて議論していくこと自体よりも,広く「フロー」として捉えて行くことにより,それらのエネルギー効率や省資源化推進などを考えて行くことが重要なのではないか,という意見が多く出ておりました。また,各参加者においての省エネや省資源などへの捉え方も今回多様と感じられる展開となりましたが,意識的に考えて行く上での新たな視点の獲得が出来たという,そういう意見が多くありました。

加えて,今回参加した一社の事例紹介として,リモートワーク下でのスタディプロセス管理体制推進による,組織全体での省エネ性や省資源性を考慮した自発的学習やトライアルのための仕組み作りに関して,多くの質問が寄せられていました。この状況から言えることとしては,創造的プロセスは無駄なエネルギーを費やしがちになる傾向があるものの,自己学習やプロトタイピングの環境も含めた省エネ化や省資源化は,今後も重要な視点と成り得るのではないかということでした。これらの感触を踏まえまして,本会合へと繋げたいと思います。

事前会合2

時間:
2020/11/01 15:00-17:30
場所: オンラインでの開催につき,会合に参加予定であった方を中心に個別にご連絡します。
タイトル:
本会合に向けての事前ミーティング2
モデレータ:
武本和久(本田技研工業株式会社)
概要:

前回会合は緊急事態宣言解除前の5月11日に開催し,新型コロナウイルス感染拡大防止のためリモートで行いました。現在の世の中の状況としては,大学・企業などの組織から個人に至るまでafterコロナ時代における新生活様式「ニューノーマル」を模索している渦中にあり,早期からセミナーをリモート開催してきた大学の研究開発のみならず,企業や個人においてもwithコロナ・afterコロナ対応としてのリモート採用が増えてきました。一方で,多様な働き方を実現する手段としてのサテライトオフィス活用といった拠点分散や,効率的な研究開発活動・企業活動を実現する手段としてのリモートワークを推進する企業も出始めるなど,実に多様な目的で「リモート」の社会実装が進んでおり,目的の多様さの意味において,私たちを取り巻く環境が一気に大きく変わる様相を呈しています。以上の背景から,今回は会合での主たるテーマである省エネ・省資源に関する話題は過去の事前会合を振り返るに留め,参加者自身のリモートワークの経験から生まれる議題を中心に,今後の変化全般に関して,意見交換を進めたいと思います。また時間が許せば,今後のKSSにおいてのオンラインセミナーの形態に関しても,ディスカッションの時間を取りたいと思います。

当日の様子から:

初めにコロナ禍におけるリモートワークの状況について,世界及び日本の調査データを共有し,各自の体験を踏まえた意見交換を行いました。

次に,各自のリモートワーク対応状況を共有したうえで,場所・時間に対する制約が小さくなるメリットを踏まえつつ,リモートワークのメリット・デメリットを話し合いました。そこでは,集団作業におけるリモートワーク特有の問題として,活発な意見交換や創造性に富む企画などの推進をシステムとして如何に支えるかという問題意識が議論の対象となり,リモートワークだけではなく,オンラインで開催するセミナーの企画や運営に対する同種の問題も浮き彫りになりました。特にセミナーの企画や運営の場合は,運営側に求められる知識の幅・深さが拡大傾向にある現状において,リモート開催の制約下で,参加者の状況把握を如何に進めていくかが課題との意見が出ました。

それに加え,生産・製造・制作などの違いを踏まえながら,リモートとオンサイトを混在可能にするシステム変革に対する省資源化・省エネ化の追求難度も議題となり,長時間に渡り参加者間で意見交換を行いました。

今回はKSS初のオンラインによる試行開催ということもあり,改めてKSS設立の背景や現在までの状況を振り返りました。そこでは参加人数の多少に関わらず,様々なトピックに対し濃い議論を行うことを意識した運営の重要性が改めて認識され,分野や専門性の違いを超え互いに気付きを得られる場としての発展がKSSの特徴及び重要事項であることが確認できました。これは同時に,世話人やモデレーターが会合運営に際し考える範囲の広さを再認識することに繋がりましたが,今後もオンライン開催ならではの展開を意識し,試行錯誤を続けて行くことが重要との見解でまとまりました。特には,オンラインの開催の場合に求められる運営側の負担増加に関する問題意識を共有し,如何に負担増加を減らすかなどの議論を行いました。

更に,より進んだ企画として「3Dプリンターの普及期における形状データなどの"OSS化"」の方向性での模索も行い,合計四時間となるディスカッションを経て,今後のKSSでの会合企画としてもオンライン・オンサイト双方の長短を今後も意識して会合企画を進めていくことへの重要性が認識されることとなりました。