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Kobe Studio Seminar for Studies with Renderman

ワークショップ: 手作業や計算機上のアルゴリズムによるモデリングと,RenderManのRISへ向けての議論

KSS Projects for Communicationの一つである「Invariant Theory, and techniques of visual effects」の関係者によるワークショップです。本ワークショップは,議論を深めるため,事前に調整させて頂いたプロジェクト関係者を中心に開催します。関係する研究分野の方でご興味を持たれた方は,お手数ですが,窓口担当の世話人: 長坂耕作までご連絡をお願い致します。

前回までの議論(過去のワークショップ過去のセミナーを参照)において,RSL(RenderMan Shading Language)で書かれたshaderの範囲で,幾つかの着眼点を見付けられたことから,本プロジェクトは開始しており,本ワークショップでは,その視野を広げるための議論を行います。特に,手作業によるモデリング,計算機上のアルゴリズムによるモデリング(今回はMathematica v7, Houdini, Mayaを使用),手作業とプログラミングの協調によるモデリングに着目します。加えて,視覚効果を与える前の過程を再確認するために,建築物のビジュアライゼーションやテクチュアリング技法について議論することや,(本ワークショップ以降には入手可能と見込まれる)RenderManのRISを用いたテクニックの可能性を議論するための事前学習的なチュートリアルなどについても議論の目的とする予定です。

また,アイデアレベルの議論も積極的に行う予定です。一般化の可能性を見据えつつも,「効果」がどのように適用され,実際の効果はどのように表現されるのか,手法間の関係や不変式論として数学的構造を見出すことは可能か,という基本的な議論も含まれます。これには,強めの「効果」により制約を帯びてしまう脚本や題材が生じうる点にも意識を払い,アーティスティックな手法を不変式論の視点でどう見直していけるのか,その発展性は,といった議論も含めたいと考えています。

実際にここで得られたアイデアを実現する上での議論は,9/6のワークショップでも,手作業のモデリングやドローイングに関する話題は,10/25(-26)のワークショップでも,それぞれ特集する予定です。

日時:
2014/8/30
会場:
開催場所: 神戸大学大学院人間発達環境学研究科(六甲台地区の鶴甲第2キャンパス)
部屋:
A739およびA721
ワークショップ世話人:
Ryuji Tanimoto (Shizuoka University), Yusuke Kiriu (Studio Phones), Kosaku Nagasaka (Kobe University)
参考資料:

建築の可視化や今回取り上げるトピックで参考になりそうなサイトや書籍などになります。

Renderman, RIS関連はまだ資料が出ていませんので,参考までに関連するYouTubeビデオへのリンクになります。

FEM関連(CG寄りのもの,建築寄りのもの双方が含まれています)

センサ関連の資料は下記に書いてあるものと重複するので割愛します。集会後にも多少アップデートは行うかもしれません。

プログラム

時間:
10:00-11:00
タイトル:
センサーを用いたモデリング手法の一例など
登壇者:
Yusuke Kiriu (Studio Phones)
概要:

今回は後の議論のために,まず実践的なモデリングの手法や既存のセンサーの関わる3DCGの手法紹介し,前回の会合から得た私の谷本氏のアプローチに関する見解を説明します。そこからセンサーを用いたモデリングテクニックの可能性に関して話していきたいと思います。

時間:
11:10-12:10
タイトル:
より良いメッシュを得るための,手続き型モデリングの一例など
登壇者:
Yusuke Kiriu (Studio Phones)
概要:

我々は現在,映画内建築物のスタディのためのより良いメッシュの生成や,各種シュミレーションのためのガイドとなるメッシュ,手作業でモデリングするためのベースメッシュの生成など行う上で,手続き型モデリングを主体に採用しています。本講演では,私はその詳細を出来るだけ詳細に説明し,前回の会合で得られた視点から具体的な関連性に関して述べたいと思います。

時間:
13:40-14:40
タイトル:
数式処理から見たCGと不変式論
登壇者:
Kosaku Nagasaka (Kobe University)
概要:

数学から計算機科学を含む幅広い学際的な分野である数式処理について,その概要を歴史とともに紹介したうえで,不変式論との関係について解説します。また,それ自身が学際的な分野である数式処理の研究者としての立場と,学際的な研究科に所属する教員としての立場から,数式処理/不変式論/CGという異なる分野間で議論をするうえで,重要だと思われることを,将来の議論も見据えつつ紹介したいと思います。

時間:
15:00-16:00
タイトル:
不変式論の視点による物質科学
登壇者:
Ryuji Tanimoto (Shizuoka University)
概要:

飛行機の燃料タンクには,低価格で高耐久性になるよう,繊維強化複合材がしばしば用いられています。このような材料の破壊条件をもとめることは重要な問題となっています。材料の持つ対称性に着目することにより,破壊条件に,応力テンソルを変数に持つ不変式が用いられています。本講演では,応力テンソルについて簡単に述べ,一方向強化複合材の破壊条件と関連する不変式に着目し,その不変式の求め方を,Derksenの計算不変式論に基づき概説します。本講演は,H.Derksen, G.Kemper共著『Computational Invariant Theory 』Springerの5.9 Material Scienceに基づきます。

時間:
16:20-17:20
タイトル:
不変式論の視点によるビジュアルエフェクトの技法の模索
登壇者:
Ryuji Tanimoto (Shizuoka University)
概要:

前講演『不変式論の視点による物質科学』を受け,ビジュアルエフェクトの技法の作成の可能性についての議論を予定しています。ここでは,一方向強化複合材が破壊する様子のCG作成の可能性についての議論を行う予定です。また,材料の対称性と関連する,不変式論についての議論も行う予定です。

時間:
17:30-
Discussion:
Moderator:
Ryuji Tanimoto (Shizuoka University)
概要:

本ワークショップのすべての講演を踏まえて,ビジュアルエフェクトについての理論面や実装面についての議論や,RenderMan Shading Languageで記されたshaderについての視野を広げるための議論や,ビジュアルエフェクトから不変式論における数学的構造を見出すことの可能性についての議論などを予定しています。モデリングやビジュアライゼーションやテクスチュアリングなどのCGの技法と,数式処理と,不変式論との関連を意識しながら,議論したく思います。